ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

20th Anniversary3山梨総合研究所の創立20 周年にあたり、心よりお祝い申し上げます。新藤久和理事長をはじめこれまで貴研究所の成功に貢献されてきたすべての皆さまのご努力に敬意を表します。2000 年代に始まった人口減少に加え、ITやデジタル経済によって大きな変化がもたらされております。産業革命に匹敵するほどの、いわば、第二機械時代ともいわれる大きな構造転換が生じている中、地域経済を活性化するためには、これまでとは異なる発想を打ち出すことが求められております。見方を変えると、こうした時代は、むしろ従来の中央集権型の横並び意識から脱却し、地域の考えを提示するよい機会であるかもしれません。それは企業経営とよく似ております。経済が右肩あがりの順調な時代には「黙ってついてこい」式の経営で済んだものですが、低成長ともなれば、経営者も、また労働者も安穏としていられなくなります。同様に、大変革の時代に地域が経済活性化に成功する為には、従前の考え方にとらわれることなく、失敗を恐れずに果敢に攻めていくことが必要となります。地域が独自に発展していくには、2つの「ジリツ」が必要だと私は考えております。ひとつは、地域の経済的な「自立」、そして、もうひとつは、地域の将来を自分たちで判断する「自律」です。経済的な「自立」がなければ、地域で安心して豊かに暮らすことはできません。また、地域自らが判断し、決断するという「自律」があるからこそ、課題を乗り越える意欲や知恵が湧いてくるものです。この2つの「ジリツ」を実現することこそ、地域の活性化を達成する唯一の方法といってよいと思います。まさに、シンクタンクの役割も、地域が実現する2つの「ジリツ」を後押しすることだと考えています。地域活性化のための政策提言の発信はもとより、研究調査や独自のネットワークを使って議論を重ね、新しい考えや見方を提示していくことは、将来、地域が独自に進むべき道を判断する上で大きな助けとなります。また、シンクタンクが政策や運営に関与することで、自治体や企業は有益な助言を得、次の段階に進むことができます。特に、近年は、英米で人々の間の意識や文化の違いが深刻化し、政治的な対立を生んでいます。この背景には、技術の進歩やグローバル化に適応できた地域と、そうでない地域が分断されていることがあるといわれています。こうした分断も、2つの「ジリツ」が実現されることで回避できるはずです。たとえ、人口規模が小さくとも、一人当たりの所得が大都市を上回っている地域は存在します。つまり、これからのシンクタンクがどのような活動をするか、新しいビジョンをどう提示するかによって、地域が大きく変わるといってよいでしょう。これからの新しい時代はシンクタンクとともにあるのです。20 周年を記念して発行される本書には、地域と関わりをもつ多くの方々が寄稿されております。一つひとつの論考のなかに、地域への責任と未来への手ごたえを感じることでしょう。地域の経済活性化は2つの「ジリツ」から始まるNIRA総合研究開発機構 牛尾 治朗