ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

20th Anniversary812017 年の山梨県の65 歳以上の高齢者人口は24万人、高齢化率29% となっています。2025 年には、高齢化率は33% に上昇し、高齢者1人を現役世代2人で支える少子高齢社会がやってきます。高齢化が進行し、介護サービス利用者が増加しています。県内の高齢者の13%、約4万人が要介護認定を受けており、そのほとんどが何らかの介護サービスを利用しています。こうした高齢者を受け入れている介護施設では、慢性的な人員不足が生じています。また、核家族化も進行し、高齢者のみの世帯が増加しています。県内の在宅一人暮らし高齢者は5万人を突破し、こうした高齢者が要介護状態となったときの、買い物や通院時の足の確保が新たな課題となっています。一方で、要介護認定を受けていない“元気高齢者”も増えています。県内の高齢者の87%にあたる20 万人が元気高齢者になります。近年では、家族の介護のために仕事を辞める「介護離職」が問題となっていますが、高齢者を家族だけで介護するのではなく、地域全体で支える取り組みが必要です。笛吹市春日居町では、春和クラブという老人クラブが、神社の清掃や学童保育の送迎などの社会活動に取り組んでいます。その他にも、公民館を利用したサロンの開催や高齢者の移送支援に取り組むボランティア団体も現れてきました。少子高齢社会は、元気高齢者が活躍する社会です。支援する側になる元気高齢者は、支援することで生きがいや介護予防になり、一転して、支援される側になったときには地域の元気高齢者に助けてもらう、支え合いの地域づくりが始まろうとしています。元気高齢者による支え合いの地域づくり笛吹市役所保健福祉部長寿介護課 課長 赤尾 好彦「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想を御存じだろうか。この構想は、「東京圏をはじめとする地域の高齢者が、希望に応じ地方や『まちなか』に移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくり」を目指すものである。平成27年6月に閣議決定された国の「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」において、この構想を制度化・推進していくことが指針として示された。国によれば、地方創生の観点から、この構想に基づくコミュニティ形成が実現されれば、地方における人口減少問題の改善、地域の消費需要の喚起や雇用の維持・創出、多世代との協働を通じた地域の活性化などの効果が期待できるという。今後、山梨県内におけるまちづくりを検討するに当たり、参考になる考え方の一つになるだろう。山梨県においても、平成28年度に有識者等を構成員とする「『生涯活躍のまち・やまなし』研究会」が設置され、広域的観点から山梨県としての「生涯活躍のまち」に関する方向性等の検討が重ねられ、平成29年3月にその結果がとりまとめられた。それによれば、まずは、住民自身が地域で活躍し、健康で、アクティブであることを実現できる地域社会であるべきだ、としている。そのために、「このようなまちづくりをしたい」、「このような人に来てもらいたい」という地域の声を発信し、それに対して共感する人に移り住んでもらい、協働していけることが重要である、と結論付けている。移住した人が、「このまちに移り住んで良かった」と感じ、地元住民も生き生きと暮らしていくことができるような、だれもが活躍できる、活力ある地域社会の構築が、今後望まれる。だれもが活躍できるまちを目指して山梨県県民生活部私学・科学振興課 主査 安部 洋