ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

ページ
87/110

このページは 山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌 の電子ブックに掲載されている87ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

82現在の平和な世界が続く限り(局地紛争はあっても)、22 世紀には平均寿命100 歳以上の超長寿時代になるという予測が出されている。超長寿の市民が、仕事から引退した後の長い人生で、どのような社会的役割を果たさなければならないのか。新たな課題が登場してきた。私たちが運営する特定非営利法人地域資料デジタル化研究会では、この新たな超長寿社会の挑戦を、21 世紀の市民参加型民主主義モデルを完成させるためのチャンスと考え、社会基盤としてのデジタルアーカイブの構築を進めている。100 年長寿時代のもう一つの重要なキーワードは「高学歴」「高職歴」である。多数のハイキャリアの住民が暇をもて余す現状の中で、時代錯誤の選良思想に裏付けられた首長・議員の選出による代表制民主主義は、非効率だとさえ言える。既に政党政治の衰退によって、議会の在り方そのものの劣化が否めない。旧体制の劣化の中で、地域における市民参加型のシビル・ガバナンス(市民統治)による直接民主主義が可能となる社会情勢が生まれつつある。その最大のツールがインターネット、1人1台のスマートフォンであり、情報シェアという新たな叡智である。これまで、地域の政策立案は公務員(とコンサルタント)に頼っていたが、その原因は様々な公文書、地域資料データを公務員が占有・廃棄していたことにある。公的機関が地域社会の課題を解決するための様々なコンテンツをデジタル化し、アーカイブとしてネット共有していくことは、シビル・ガバナンスを実現するための基盤として重要な取り組みであり、社会的責務といえる。新たな基盤により、住民のハイキャリアを活かした集合知が発動できる。それと同時に自治媒体としての民間政策研究機関(ex.山梨総研)、民間非営利組織の存在がますます重要になってくることはいうまでもない。超長寿社会とシビル・ガバナンスの構想特定非営利活動法人地域資料デジタル化研究会 事務局長 井尻 俊之地方創生の中で「地方へのひとの流れをつくる」ことが命題となっている。山梨県、特に東部地域のポテンシャル等について考える。まず、東京圏とセットで考えて、東京のアミューズメントと山に囲まれている田舎生活のいいとこ取りができるという、移住先としてのポテンシャルの高さを認識すべきである。ただ、昨年の山梨県・長野県・静岡県合同の移住イベントにおいては、静岡県三島市と上野原市・大月市が並びとなり、三島市に来場者が殺到した。三島から品川まで48 分(新宿へは70~90 分、中途半端な近さはアピールにならない)、朝に自分の時間が持てる新幹線通勤や富士山の見える風景が、こんな暮らしがしたいというイメージにつながった。東部地域でも、生活する上でのさらなるメリットの打ち出しが必要であり、例えば、新幹線と違い交通費が安い(車移動も同様)こともその一つである。最近流行の地方都市暮らしに対し、人が多くない、車が運転しやすいなど田舎の快適さをPRすることも考えられる。もう一つ重要な点は、人口が減少していくことを前提に縮小型で成り立つ社会を考えることである。行政サービスを含む多様なサービスは、人口の減少とともに縮小していくのは必定であるが、地域における交流人口(例えば、富士山方面への行き帰りに大月駅で乗り換える外国人旅行者、高尾山からあふれ出る登山者など)を取り込むことである程度のサービスが維持でき、それらを地元で活用する。どの部分が縮小し、どの部分が保てるかという点について認識の共有が重要である。人口減少社会の到来の実感が十分に浸透していない中で難しい点もあるが、取り組みは短期的・中長期的なものが複層的に行われるべきと考える。山梨県のポテンシャル等について考える山梨県森林環境部森林整備課 安藤 克美