ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

20周年によせて株式会社山梨日日新聞社 取締役会長   株式会社山梨放送 代表取締役社長 野口 英一86私が、山梨総合研究所に出向していたのは、組織ができて3年目の2000 年から2年間でした。当時、「シンクタンク」から、地域とともに行動する「ドゥタンク」を目指す取り組みは、大手シンクタンクに疑問を感じていた私にとって、とても刺激的なものでした。それから20 年近くが経過した今日、「地方創生」というかけ声の中、行政には、戦略や計画立案とともに、その中で定められたKPIを達成するための具体的なアクションが求められています。地域の活性化には、「産学官金労言」といわれるように、多様な主体の参画が不可欠です。しかしながら、本当の意味での連携協働を行っていくためには、それぞれの利害を超えて、目指すべき目標に向け共に行動を起こしていくことが必要です。シンクタンクは、行政や大学と同じように、地域のビジネスを直接担う立場ではありません。それでは、地域シンクタンクにとって、「ドゥ」、つまり行動することとはどのようなことなのでしょうか。ひとつは、従来通り、自治体等の戦略や計画づくりを支援することです。しかし、それは単にレポートを作成するということではなく、地域のニーズやシーズを把握し、より実効性のある計画立案ができるよう、そのプロセスにおいて多様な主体を巻き込みながら目標に向けて地域を盛り上げていくことが重要です。さらに、計画をつくるだけではなく、その実施に向けたしくみづくりや合意形成といったプロセスをデザインしていくことも、ますます重要になっているといえるでしょう。創立20周年というひとつの節目において、創立当初から掲げてきた「ドゥタンク」という役割を、今日の地域社会において捉え直していくこと、その中に、もしかすると新たな20 年の進むべき道があるのかも知れません。改めて、「ドゥタンク」とは何かを考える山梨県立大学 理事 / 山梨大学地域未来創造センター 特任教授 佐藤 文昭「人口減少」にみられる社会の趨勢に対応し、地域活性化を図る「地方創生」の動きに加えて、当地では10年後に迫った「リニア中央新幹線の開通」に向けた動きが並行して進みつつあります。開通効果として、人々の移動時間が劇的に短縮されることで沿線地域がスーパー・メガリージョンとして融合し、世界有数の経済圏となることなどが掲げられています。開通効果を当地の発展にいかに取り込むかということが目下の課題ですが、開業までの時間は10年「しかなく」、手を打つためのヒト・モノ・カネといったリソースも限られている状況です。当地が存在感を示していくためには、今各所で行われている、または、今後起こそうとする取り組みを、何らかの形でリニア開通前後の地域づくりに位置づけることが必要と考えます。表面的に関係がなさそうな取り組みであっても、リニアが翔ける地域像のこの部分にはまるだろうから、今からこうしていかないと、という考え方に立った動きが公民の別なく広がることで、リニアの効果をつかめる地域としての態勢、いわば「リニアシフト」が整うでしょう。とはいえ、「リニア」に向けた立ち位置は各主体によって様々です。動きをつくるためには、山峡の風土を的確にとらえるなど、当地の人々に納得感を持って受け入れられるような地域の将来像や、データや知見に基づいた各々が納得して踏み出せるような根拠・指針が欠かせないでしょう。そして、山梨でそれができるのはDotank として20 年活動してきた総研を措いて他にはないと考えるのです。「創生」と「リニア」が共振する「リニアシフト」の地域づくりに向け、山梨総研に大きな旗を振っていただきたいと思うのです。山梨の「リニアシフト」を導く総研であれ中央銀行 営業統括部公務・地方創生室 佐藤 史章