ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

88先日、日本経済新聞の記事がインターネットをざわつかせていました。米国の世論調査研究所ギャラップ社が世界各国の企業を対象に実施した「従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査」によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかなく、調査した139 か国中132 位だった、というものです。日本の、企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達した、と記事は続きます。今、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジとして「働き方改革」ということが言われ、テレワークといった取り組みが注目を集めていますが、熱意ある社員が6%、やる気のない社員が70%という状態で、果たしてテレワークが機能するのかと心配になってしまいます。私は平成27~28 年度の2年間、山梨総合研究所にお世話になり、現在は笛吹市の総務課で人事を担当しています。人事担当として職員採用に携わると、採用試験の申込者は皆、市の未来を考え情熱に満ちているように感じます。また採用後1~2 年目の職員とも面談してみると職務に対して意欲的で、日経の記事の数字がにわかには信じられません。いずれにしても、所属している組織に対する熱意、モチベーションの維持が重要であることは間違いありません。同様に地域も大きな組織と考えると、地域活性化のためには「熱意あふれる人」が求められています。周囲に不満をもらす人が地域への帰属意識を高め「熱意あふれる人」に変わるために、行政ができることは何か、私にできることは何か、山梨総研の広い視野からの提言を希望します。地域への熱意笛吹市役所総務部総務課 主査 高橋 謙洋山梨総研の20 年にわたる郷里山梨への貢献と功績を讃え、新しい門出へのはなむけとして、『甲斐の国』のスタートアップ萌生への応援歌を捧げます。山梨総研の20 年。これは、まさにレボリューション(大変革、革命)の時代の真っ只中といっても過言ではありません。20 年前の90 年代後半は大量生産を基軸とした20 世紀型産業構造にあったものが、現在は米ITビッグ5(アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック)による「ニュー・モノポリー」(新たな寡占)の時代を迎えています。そして、これに続く革新的ベンチャー企業を目指した起業家が、中国やインドなどのアジア地域を主体として数多く出現し、まさに起業大国といえる状況になっています。しかし、我が国はいまだ20 世紀型産業構造を脱し切れず、起業活動に関する米・中などとの差は広がる一方です。今年は人工知能(AI)元年といわれ、IoTやビッグデータ活用による第4産業革命を迎えている中、IT企業を初め「ビジネスを興す」という意味での起業の垣根は低くなっています。まさにレボリューションの時代の魁(さきがけ)となる取り組みが求められているのです。起業大国実現には、起業無関心者⇒起業希望者⇒起業準備者⇒起業家という事業創造活動をスパイラル(らせん状)に展開させる戦略が求められます。そして、その取り組みとしては、①「パイを広げる」(起業希望者の増加)、②「敷居を下げる」(起業準備者の増加)、③「起業手法の確立・普及」(起業家の増加)が挙げられます。ぜひ、山梨総研には、地域のプラットフォームとして、起業活動が具体的にイメージできる起業プロセスや顧客獲得プロセスの「見える化」を実現し、起業家の創発的な活動を支援することで、起業大国『魁(KAI)の国』の実現を目指していただきたいのです。起業大国『魁(KAI)の国』を目指して国士舘大学経営学部 准教授 田中 史人