(1)第1回 環境・健康ビジネス研究会
平成22年4月20日(火)、16時半~18時半、山梨総合研究所6F会議室
□「増富の湯」における省エネ診断の結果報告:小山芳久氏(増富の湯支配人)
平成21年の5月の研究会で招聘した省エネルギーセンター三角特任講師のセミナーを契機に、「増富の湯」では(財)省エネルギーセンターの省エネルギー無料診断サービスを申し込みました。平成22年3月に診断報告書が提出され、様々な改善策が紹介されました。研究会では、増富の湯支配人の小山氏から診断結果と改善提案等についての報告や「増富の湯」で省エネ対策を推進する場合の課題などを発表していただきました。
□省エネルギー診断報告書の概要
1.診断後の総合講評
- 温浴施設であること、夏涼しく冬寒い気候のため、ほぼ暖房のみの建物で、年間ボイラ使用量が多いのが特徴である。
- 経費削減のため、無駄な照明の消灯や空調機器の停止を図っており、エネルギー節約の努力がうかがえる。
- 客サービスのため熱エネルギーを多量消費しているが、今後、サービス低下を招かない範囲で設備面の見直しを進めていただきたい。
2.最近1年間のエネルギー使用状況
- エネルギー消費原単位:4,321MJ/(㎡・年)であり、銭湯2,500 MJ/(㎡・年)よりも多いが、県内他地域の温泉施設6,300 MJ/(㎡・年)よりも少なく、省エネの努力がなされている。
3.省エネ策とその導入効果
(1)運用改善
- ボイラ空気比の調整(提案1)
(2)自己投資で実施可能な改善策(5年以内で投資回収可能)
- ボイラエコノマイザの取り付け
- 厨房換気ファンにインバータ取り付け
- 温泉排熱回収型空冷ヒートポンプ給湯器の採用
- デマンド制御装置の新設
- スイッチの細分化
(3)CO2削減効果
- 現状のエネルギー費用:26,760千円
- 年間削減額 :2,079千円
- 費用削減率 :7.8%
- CO2削減率 :9.1%
(4)投資効果
- 投資額 :9,132千円
- 年間削減額 :2,079千円
- 単純回収年 :4.3年