フォーラム「データ ✕ フカボリ = シアワセ?」(2025/02/26)を開催しました
令和7年2月26日(水)にやまなし地域づくり交流センターにおきまして、山梨総合研究所主催のフォーラム「データ ✕ フカボリ = シアワセ?」を開催しました。
当日は、会場に27名、オンラインにて9名のご参加を頂きました。
このフォーラムは、山梨総研のパーパス(組織の社会的な存在価値・社会的意義)である「幸福な地域社会の実現」に向けて、県民の幸福度をテーマに、研究員による様々なデータを用いた分析(フカボリ)から、私たち一人一人の幸せのための気づきやヒントを得ることを目的に開催しました。
1 部
今井久理事長の挨拶に続き、第1部のはじめに佐藤文昭調査研究部長より、今年度山梨総研が実施した地域幸福度(Well being)指標を用いたWEBアンケート結果の概要と国の統計データによる、年代別にみた県民の幸せの構造化について説明を行いました。

続いて、若者、働く世代、高齢者のそれぞれについて、WEBアンケート結果に基づき、3名の研究員が様々な角度から分析を行った結果を発表しました。
藤原佑樹主任研究員は、「バスに乗ってどこにいく?」と題して、高齢者の移動をテーマに高齢女性の「公共交通機関」と「娯楽施設」との関係性に着目し、男女の運転免許の返納率から、男性の自家用車への依存度の高さと女性の免許返納後の公共交通の利用や相乗りによる移動手段の確保といった移動の違いや、それに基づく男女の行動パターンや価値観の違いについて明らかにしました。

続いて、在原巧研究員は、「幸せな働き方への近道は?」と題して、働く世代、特に40歳代正規雇用の女性の「収入」と「やりたい仕事」の関係性の低さから、職場や家庭における男女の役割分担意識が、女性の能力向上やキャリアアップに影響を及ぼしていることなどについて明らかにしました。

最後に、清水季実子研究員から、「若者のメンタル維持に欠かせないものは?」と題して、20歳代で精神的な健康状態が低い割合が比較的高くなっていることに着目し、若者の波風を立てない友人・対人関係や、メンタルヘルスを維持する上での母親の重要性などとの関係性について明らかにしました。

また、1部の最後に行った参加者同士のディスカッションでは、発表内容を踏まえた様々な感想やご意見を頂くことができました。

2 部
第2部では、2つのテーマに分かれて、データだけではなく、当事者の声に耳を傾けながら、地域の問題についてさらにフカボリを行いました。
山本陽介主任研究員、宇佐美淳主任研究員による「視覚障がい者のこと、知っていますか?」では、一般社団法人日本の心バリアフリー協会の杉本梢さんをゲストスピーカーとしてお招きし、視覚障害者と健常者が見る世界の違いや障害に対する理解のギャップなどについて議論しながら、お互いが理解を深めていくために必要なことは何かについて考えました。

ゲスト:杉本 梢さん(一般社団法人 日本心のバリアフリー協会)
渡辺たま緒主任研究員、山本晃郷主任研究員による「子どもの貧困って、お金だけ?」では、認定NPO法人フードバンク山梨理事長の米山けい子さんをゲストスピーカーに迎え、貧困家庭が置かれている現状やフードバンク山梨の活動について動画やスライドを交えてご紹介頂きました。その後のワークショップでは、「貧困を解決しよう」という表層的なアプローチに留まらず、背後にある根本的な要因に目を向けることを重視し、ニーズの裏側にあるものを考えるきっかけや自分事として捉えるための視点などについて話し合いました。

ゲスト:米山 けい子さん(認定NPO法人 フードバンク山梨 理事長)
今回のフォーラムは、これまでの「点」としての量的・質的データの関係性について考えることで、様々な問題が生じている背景や構造、意識・価値観などについて考えることを試みました。
また、それを通じて総研研究員と参加者が、なせ、地域において様々な問題が生じているのかを考えるきっかけや、解決策を検討する上でのヒントにつながったのではないかと思います。
ご参加・ご視聴頂きました皆さま、ありがとうございました。
※当日の資料は、こちらからダウンロードできます。
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主催・お問い合わせ
公益財団法人 山梨総合研究所
〒400-0031 山梨県甲府市丸の内1-8-11 5F(地図)
TEL:055-221-1020(担当:佐藤、山本陽、在原)
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