VOL.63 「若い女性が3割超!」
地域おこし協力隊、最近、よく耳にする。この制度は、総務省が平成21年度から始めた制度であって、制度開始当初にわずか89名であった隊員は、平成26年度には1,500名となり、平成28年度には3,000名という。事業の実施主体は市町村で、活動期間は概ね1年以上3年以下。活動に要する経費として隊員1名あたり、400万円を上限として国からの経費支援がある。
その受入効果は、「地域」、「隊員」、「自治体」の多くで、WIN、WIN、WINの関係にある。「地域」にとっては、隊員の斬新な視点(ヨソモノ・ワカモノ)や熱意と行動力が地域に大きな刺激を与えること、「隊員」にとっては、自身の才能や能力を活かした活動ができ、理想とする暮らしや生き甲斐の発見につながること、「自治体」にとっては、自治体にない柔軟な発想による地域おこしと若い住民が増えることによる地域の活性化などである。
ところで、先頃公表された「地域おこし協力隊員の定住状況等に関する調査結果概要」によると、平成27年3月31日までに任期を終了した隊員のうち回答のあった945名中、女性は321名(34%)。20代が151名(47.0%)、30代が122名(38.0%)と全体の85%を占めた。また、945名のうち、実に557名(59%)もの隊員が、活動地と同一市町村内に定住(443名)か、活動地の近接市町村内に定住(114名)となった。
ちなみに、この557名中、女性は195名(35%)であり、どの世代でも男性に比べて女性の方が、定住傾向が高いことが示された。いかに行動的で決断力のある、若い女性の多いことか!
近い将来、若い女性がいなくなるとする消滅自治体問題で頭を抱える自治体の皆様方は、こうした「地域おこし協力隊」の受け皿づくりを進めてみてはどうだろう。
(主任研究員 相川 喜代弘)