県内で学ぶ利点
毎日新聞No.475 【平成28年11月11日発行】
県内で、さまざまなワークショップが開催されていることはご存じだろうか。
ワークショップは、講義やセミナーとは違い、進行役(ファシリテーター)の主導のもと、参加者自らが積極的な意見交換や協働体験をする。このため、一方的に話を聞くセミナーとはまた別の気付きを得ることができる。
私自身、以前は山梨県内でさまざまなワークショップが開催されていることを知らず、東京で開催されるワークショップを探しては参加していた。しかしながら、東京に行くとなると、3時間程度のワークショップにも1日がかりとなってしまう。仕事が繁忙期に入ると、なかなか足が向かない状況となっていた。
山梨総合研究所に勤めて1年半が過ぎ、さまざまな業種の方とフェイスブック上で友人となったおかげで、現在では、山梨県内で開かれるワークショップのお誘いやお知らせを頻繁に受け取ることができるようになった。東京に行かずとも山梨で学ぶ機会が得られるため、時期を問わず参加することができている。
ワークショップに参加する利点として、二つのことが挙げられる。
一つ目は、同じワークショップに参加する方々は、そのテーマに興味を持っていたり、日ごろから勉強したり仕事として活用したりする方々だ。そのため、私が学び始めたテーマについての先輩たちに出会うことができ、疑問や不安の相談をすることができる。どんなことでも、相談できる相手がいることは非常に心強い。
二つ目は、さまざまなワークショップに参加することで、幅広い年齢層や、さまざまな職種の方々と出会う機会にも恵まれ、刺激を受けることができる。
例えば、自分より10歳以上年下の大学生が、山梨の未来のために何をしたいかを熱く語り、自分を磨くために大人に交じって勉強する姿を目の当たりにする。彼らが数年後に社会に出た時、その熱さを大人として受け止められるだろうかという不安と、その熱さを受け取れる大人になるために自分を磨かなければならないという思いになる。
自分の組織から飛び出して、さまざまな人たちと対話してみてはいかがだろうか。ワークショップは、その環境としてうってつけである。
(山梨総合研究所 研究員 渡辺 和樹)