地域課題と資金循環
山梨日日新聞No.72【令和7年9月29日発行】 各地域で生じている様々な社会的課題(以下「地域課題」という)を解決するための活動は全国各地で行われている。そうした活動を資金面から支援する仕組みとして、日本政策金融公庫 […]
人と地域がつながる工夫
毎日新聞No.699【令和7年9月28日発行】 先日、私の住んでいる地域で神社のお祭りが開催されることを知り、足を運んでみることにした。このお祭りは、私が小学生の頃に参加したことがあり、当時は若者から高齢者まで幅広い年 […]
ナイトタイムエコノミー
山梨日日新聞No.71【令和7年9月15日発行】 「新宿から甲府まで特急電車で90分」。本県の立地をアピールする場で耳にする常套句だ。首都・東京との隣接は、時として薬にもなるし毒にもなる。その一例が観光である。 本県 […]
アーレントと「活動」
毎日新聞No.698【令和7年9月14日発行】 先日長野で開催された学会に参加した際、「地域コミュニティの存続・活性化と行政の役割」というパネル企画に携わった2人のベテラン現役自治体職員の方から、何気ない会話の中で共通 […]
社会から孤立する高齢者
山梨日日新聞No.70【令和7年9月1日発行】 私が地域包括支援センターに在籍した四年間で直面した、現代日本社会の喫緊の課題の一つである高齢者の社会的孤立。地域社会における人間関係の希薄化が進む中で、もはや一部の特殊な […]
子どもを育てて思うこと
毎日新聞No.697【令和7年8月31日発行】 今年6月に厚生労働省が発表した2024年の人口動態統計(概数)によると、合計特殊出生率は1.15と過去最低を更新した。前回の1.20からさらに下がり、少子化の流れは止まら […]
生成AIとの共創
山梨日日新聞No.69【令和7年8月18日発行】 近年、AI技術の進化は目覚ましく、その中でも「生成AI」は、ビジネスや教育、医療分野など、あらゆる領域でその活用が広がっている。文章の要約や画像・動画の作成など、多様な […]
「懐かしさ」の意味
毎日新聞No.696【令和7年8月17日発行】 先日、松本市を訪れた。中町通りや縄手通りには歴史ある蔵造りの建物が軒を連ね、民芸家具が置かれた古い喫茶店に足を踏み入れると、初めて訪れた場所にもかかわらず、なぜか心が安ら […]
参院選に見る「支持」の構図
毎日新聞No.695【令和7年8月3日発行】 今回の参議院選挙では、参政党や国民民主党など、従来の大政党とは異なる立場にある政党が議席を伸ばした。大きな争点が見えづらいなかで、なぜこれらの政党が一定の支持を集められたの […]
若者世代の未来のために
山梨日日新聞No.68【令和7年7月28日発行】 先月、厚生労働省が公表した令和6年の人口動態統計によると、山梨県の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産むと推定される子どもの数)は全国平均の1.15をわずかに上回ったもの […]
いにしへの甲州を想う
毎日新聞No.694【令和7年7月23日発行】 元来の日本史好きが高じ、上野の森美術館で開催された「五大浮世絵師展」に行ってきた。江戸時代中期から後期に活躍したスター浮世絵師 喜多川歌麿・東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川広重 […]
新しい学びの場を山梨に
山梨日日新聞No.67【令和7年7月7日発行】 山梨県では現在、高等専門学校(高専)の設立に関する議論が進められている。これは、2023年の知事選において、長崎幸太郎氏が公約として掲げた施策の一つである。 高専とは、 […]
「わからなさ」との距離感
毎日新聞No.693【令和7年7月6日発行】 私たちは、ときにほんの些細なきっかけで、人との関係が途切れることがある。 私自身も、人との関係を断ったことがあれば、逆に断たれたこともある。 関係を断たれた経験をふり返 […]
城と稼ぐ地方創生2.0
山梨日日新聞No.66【令和7年6月23日発行】 妻と私は、公益財団法人日本城郭協会の公式ガイドブック『日本100名城』『続・100名城』を道しるべに全国を巡り、各城のスタンプを集めている。これまでに前者は89城、後者 […]
コモンズと住民の自治
毎日新聞No.692【令和7年6月22日発行】 全国と比較しても自然豊かな山梨県、長野県、静岡県の3県には、自然がもたらす資源を周辺住民が共同で管理・保全してきた、歴史を有するコモンズ(共有地・入会地)が幾つも存在する […]
暮らしの中の美しさ
毎日新聞No.691【令和7年6月8日発行】 先日、松本市にある松本民芸館を訪れた。「民芸(民藝)」とは、「民衆的工芸」の略で、民衆生活の中から生まれ、日常的に使われる地域独特の手工芸のことであり、1925年に思想家の […]
「自分らしさ」に必要なこと
山梨日日新聞No.65【令和7年6月2日発行】 1990年代以降、「自分らしく生きたい」「自分の価値観を大切にしたい」といった言葉が、社会の中で広く使われるようになった。その背景には、バブル経済の崩壊という大きな転換点 […]
スニーカーで楽しく歩く
毎日新聞No.690【令和7年5月25日発行】 東京メトロ(株)の駅員や乗務員が勤務中に暗色系のスニーカーの着用も可能となるというニュースを聞いた。働きやすさ向上と多様性尊重が目的ということで、髪の毛、装飾品や爪、ネク […]
令和時代の総合計画
山梨日日新聞No.64【令和7年5月19日発行】 自治体には、法律で策定が義務付けられたものから文字通り自主的に策定するものまで、幅広い政策分野に様々な性格の計画が存在する。それらの最上位に位置付けられるのが総合計画で […]
地域の豊かさを育む感性
毎日新聞No.689【令和7年5月11日発行】 筆者は現在、山梨県立大学で「地域の豊かさ」という授業を担当している。2022年に山梨総合研究所が出版した書籍『山梨ならではの豊かさ ~地方が注目される時代へ~』を教材に、 […]
街路樹から考える街の景観
山梨日日新聞No.63【令和7年4月28日発行】 甲府駅から南に延びる平和通りのケヤキも若葉を出し、すっかり新緑の季節である。しかし、通勤途中のとある道沿いの車の中から見かける街路樹は、いまだに葉や芽を出す気配がない。 […]
ドラマと地域
毎日新聞No.688【令和7年4月27日発行】 今年の冬に放送された富士山麓を舞台にしたドラマ「ホットスポット」の影響で、郡内地域の主要なロケ地が賑わいを見せている。たびたび登場する喫茶店は「聖地巡礼」を目的に県内外か […]
ゴルフ✕幸せ?
毎日新聞No.687【令和7年4月13日発行】 「ゴルフとは何か」と問われたとき、私は「幸せを生み出すスポーツ」だと実感を込めて答えたい。ゴルフは年齢を問わず楽しめるうえ、個人競技でありながら、他者との交流が自然に生ま […]
土地の持つ価値とは?
山梨日日新聞No.62【令和7年4月7日発行】 先月、令和7年度の公示地価が公表された。「公示地価」とは、国土交通省が毎年1月1日時点における標準地の価格を公表したものであり、土地取引に対する指標にもなっている。 基 […]
食品廃棄を減らす行動
毎日新聞No.686【令和7年3月30日発行】 皆さんは、普段、食品の「消費期限」や「賞味期限」を確認していますか。簡単に言えば、「消費期限」は「食べても安全な期限」、「賞味期限」は「おいしく食べることができる期限」だ […]
インフラ維持への心構え
山梨日日新聞No.61【令和7年3月24日発行】 先ごろ、埼玉県で道路が陥没し、トラックの転落や広域での下水道の大幅な利用制限という事態が発生した。インフラや公共施設の老朽化が進み、規模の大小はあれ同様の状況は日本各地 […]
病気を持つ人の就労
毎日新聞No.685【令和7年3月16日発行】 病気を抱える人が就職活動を行う際に、面接時などに持病のことを伝えるかどうかはとても悩ましい問題である。もちろん、本来は自分の病状を正確に伝え、働くうえで問題があるのか無い […]
難病患者の働き方
山梨日日新聞No.60【令和7年3月3日発行】 山梨県では、今年度から初めて難病患者を対象とした県職員の採用枠を設け、募集を行った。定員3人程度の枠に8名の応募があり、試験に合格した3名は来年度から県職員として働くこと […]
無理のない最初の一歩
毎日新聞No.684【令和7年3月2日発行】 いよいよ3月に入り、次第に暖かい気候へと移ろい始めた。これまでは外出を控えることが多かったと思うが、これからは気軽に外出する機会が増えるだろう。「外出してなにかしようと思う […]
幸せな働き方の近道は?
山梨日日新聞No.59【令和7年2月17日発行】 「幸せな働き方」とは何か。これは、多くの人が一度は考えたことがある問いではないでしょうか。近年、「ウェルビーイング」(Well-being)という概念が注目されています […]
環境福祉が目指す社会
毎日新聞No.683【令和7年2月16日発行】 皆さんは「環境福祉」と聞いてどのようなものを思い浮かべるだろうか。環境と福祉の分野を巡っては、2016年に厚生労働省が「地域住民や地域の多様な主体が参画し、世代や分野を超 […]
職場への土産選びが苦手な理由は?
毎日新聞No.682【令和7年2月2日発行】 私は職場への土産品選びが苦手だ。選んでいるうちに嫌気がさす。なぜなのか気になり「土産」について調べてみた。 『広辞苑第7版』(新村出編、岩波書店)によると、「土産」とは「 […]
若者のこころの健康は
山梨日日新聞No.58【令和7年1月27日発行】 本欄に1月13日付で掲載していただいた弊財団研究員の寄稿「山梨県民の幸せの形とは」では、県民の幸福度と精神的な健康の関係性について述べたが、実際の県民の精神的な健康状態 […]
伝統的酒造り
毎日新聞No.681【令和7年1月19日発行】 2024年12月、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に日本の「伝統的酒造り」の登録が発表された。日本酒、本格焼酎・泡盛など、杜氏・蔵人等がこうじ菌を用い、 […]
山梨県民の幸せの形とは
山梨日日新聞No.57【令和7年1月13日発行】 皆さんはウェルビーイングという言葉を聞いたことがあるだろうか。世界保健機関(WHO)によると、ウェルビーイングのことを「個人や社会の良い状態のことをいい、この状態は健康 […]
一(いち)スキーヤーの抱負
毎日新聞No.680【令和7年1月5日発行】 スキーファンが心待ちにしていた季節がやってきた。早速年末に長野に初滑りに行ってきたが、私と同世代を含む多くのスキーヤーが、久しぶりの雪の感触を楽しんでいた。 学生時代、ス […]
バス停が語る歴史
毎日新聞No.679【令和6年12月22日発行】 仕事で山梨県内の駅とバス停の数を調べることになったが、およそ2600あるバス停の名前をひとつずつ見ていくと、おもしろいものがたくさんあった。 バス停の名前の由来は、そ […]
宿泊税導入は必要か
山梨日日新聞No.56【令和6年12月16日発行】 近年、訪日外国人旅行者の増加と共にオーバーツーリズム(観光公害)が全国各地で問題となっており、トイレの不足やゴミ処理といったインフラ整備が急務となっている。 自治体 […]
健康ポイント事業×地方創生
毎日新聞No.678【令和6年12月8日発行】 2016年5月、厚生労働省が「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブを提供する取組に係るガイドライン」を発表しました。この指針を受け、全国の自治体や健康保険組合が、 […]
山梨初のコミュニティ財団
山梨日日新聞No.55【令和6年11月25日発行】 多くの県民の方は耳にしたことはないかもしれないが、全国には一般社団法人全国コミュニティ財団協会(以下「協会」という)とその会員となるコミュニティ財団が、北は北海道から […]
デッサンで学ぶ見る力
毎日新聞No.677【令和6年11月24日発行】 月に1回、東京都内で開催されるデッサン教室に通い始めて数カ月が経つ。現役のデザインディレクターやイラストレーターから指導を受けながら、6時間をかけてモチーフを描く濃密な […]
100年企業を目指す厳しくて温かい経営
山梨日日新聞No.54【令和6年11月11日発行】 今回は(公財)山梨総合研究所が、所属研究員の研修のため視察した株式会社土橋製作所(笛吹市)を通して、同社が掲げる「厳しくて温かい経営」について考えてみたい。 「温か […]
準備は念入りに
毎日新聞No.676【令和6年11月10日発行】 環境省によると、2024年の富士山の全登山道合計の登山者数は、開山日である7月1日から閉山日の9月10日までで約20万4千人であった。山梨県では近年、国内外の富士登山者 […]
飯田線の旅
毎日新聞No.675【令和6年10月31日発行】 9月の平日、休みを取りJR飯田線全線踏破に挑戦した。上諏訪駅から豊橋行きに乗り、単線の101の駅を各駅停車でつなぐ旅である。飯田市のような地方都市は通るが大半は過疎地域 […]
学びは人を豊かにするのか?
山梨日日新聞No.53【令和6年10月14日発行】 デジタル技術の発達により社会や仕事を取り巻く環境が変化する中で、社会人になっても就労と学びを繰り返す「リカレント教育」や、仕事の変化に伴い、新たに必要となる技術やスキ […]
初めての中東訪問
毎日新聞No.674【令和6年10月13日発行】 9月2日から8日までの日程で、山梨学院大学のゼミ生とオマーンの首都マスカットに行ってきた。初めての中東訪問の目的は異文化交流である。 今年のゼミのテーマは「チャレンジ […]
移住人気地の住宅問題
山梨日日新聞No.52【令和6年9月30日発行】 先ごろ、今年度の基準地価が発表された。7月1日時点の住宅地、商業地、工業地など全用途平均の地価は、全国では1.4%の上昇となったが、山梨県内は0.7%の下落となり、未だ […]
問われる民主主義のあり方
毎日新聞No.673【令和6年9月29日発行】 暑い夏から涼しい秋への季節の移り変わりがなかなかみられないところであるが、NHKの朝の連続ドラマは下半期の新番組に切りかわる。 今年度上半期のドラマは実際に存在した女性 […]
物流の2024年問題
山梨日日新聞No.51【令和6年9月16日発行】 2024年度に入って6カ月が経とうとしている。物流の「2024年問題」が取り上げられて久しいが、現状はどうなっているのだろうか。 2024年問題とは、働き方改革関連法 […]
難病患者の就労
毎日新聞No.672【令和6年9月15日発行】 山梨県では、令和6年度より難病患者を対象とした県職員の採用枠を設け、募集を開始した。定員3名程度の枠に8名の応募があり、秋以降試験が行われる予定となっている。この枠は、障 […]